手帳なしOK!就労継続支援B型の利用条件・1日利用料・流れを解説
2026/07/17
「就労継続支援B型に興味があるけれど、自分は対象になるのだろうか?」
「毎日通ったら1日の利用料はいくらかかる?工賃より高くなってしまわないか不安……」
「利用を始めるまでの具体的な流れや、必要な手続きを知りたい」
このように、就労継続支援B型(以下、B型事業所)の利用を検討するにあたって、疑問や不安を抱えていませんか?
結論から申し上げますと、就労継続支援B型は「障害者手帳」を持っていなくても、医師の診断書や受給者証があれば利用できるケースが多々あります。また、利用者の9割以上は「自己負担0円」でサービスを利用しています。
本記事では、全国の当事者様やご家族に向けて、B型事業所の「利用条件(対象者)」「1日の利用料の仕組み」「申請から利用開始までの具体的な流れ」を、専門用語を一切使わず、どこよりもわかりやすく解説します。
目次
就労継続支援B型(B型事業所)とは?まずは基本を解説
就労継続支援B型とは、障害や難病、体調の波などがあり、一般的な企業やA型事業所で雇用契約を結んで働くことが困難な方に対して、軽作業やパソコン作業といった生産活動の機会を提供する障害福祉サービスです。
最大の特徴は、「事業所と雇用契約を結ばない」という点にあります。この「契約の有無」が、他の就労支援サービスとの性質を大きく分けるポイントとなります。
就労継続支援A型や就労移行支援との違い
就労支援サービスにはいくつか種類があり、それぞれの目的や働き方に合わせた役割が持たされています。自分がどこに適しているか迷わないよう、違いを整理しておきましょう。
・就労継続支援A型:
事業所と「雇用契約」を結んで働くため、基本的には各都道府県の最低賃金以上の給与が保障されます。その反面、決められた時間(例:週20時間など)をしっかり勤務する体力や、一定以上の作業能力、通勤スキルが求められます。
・就労継続支援B型(本記事の対象):
雇用契約を結ばないため、自分の体調や生活リズムに合わせた利用が可能です。「週1日だけ」「1日1時間からリハビリ感覚で通う」といった極めて柔軟な通所スタイルを組むことができます。作業した分は「工賃(こうちん)」という形で成果給が支払われます。
・就労移行支援:
一般企業への「就職(就労)」を目指す場所です。原則として最大2年間、就職に必要なスキル習得、履歴書の書き方、面接対策、実習などを行います。生産活動をしてお金(工賃や給与)をもらう場所ではないため、B型とは大きく異なります。
B型事業所は、「まずは無理のないスモールステップで社会とつながりたい」「生活リズムを崩さずにステップアップしたい」「自分のペースを守りながら少しずつ作業をして工賃を得たい」という方に最も適したリハビリテーションと就労の場です。
【利用条件】どんな人が対象?障害者手帳がなくても通える基準
私には障害者手帳がないから、就労支援は受けられない」と諦めていませんか?
実は、B型事業所を利用するために「障害者手帳」の所持は必須条件ではありません。手帳がなくても、自治体(市区町村の福祉窓口)の判断や医師の診断書、意見書等によって「就労を目的とした福祉サービスの利用が必要である」と認められれば、十分に利用が可能です。
B型事業所の基本的な対象者(利用条件)
法律上、就労継続支援B型の対象となるのは、身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、あるいは難病を抱えており、以下のいずれかの条件に該当する方です。
1.就労経験がある方:
過去に一般企業やA型事業所などで働いた経験があるが、体調の悪化や障害の特性によって、現在は通常の雇用形態で働くことが困難になった方。
2.就労移行支援などを利用した結果、課題が見つかった方:
就労移行支援事業所などを利用したが、一般就労へ移行する前に、まずはB型事業所での就労訓練や基礎的な体力作りが必要であると評価された方。
3.年齢や体力の面で一般就労が困難な方:
上記1、2に該当しない場合であっても、50歳に達している方、または障害基礎年金1級を受給している方など。
>4.【特例】自治体が利用の必要性を認めた方:
地域によっては、特別支援学校を卒業した直後の方や、医師の意見書によって「B型事業所での訓練が本人の自立や自立度の向上に最も適している」と判断された方なども、柔軟に対象に含まれます。
障害者手帳がなくても利用できる「例外パターン」
障害者手帳を持っていない「グレーゾーン」と悩んでいる方や、現在手帳を申請中の方であっても、以下のいずれかの書類や要件を満たすことで、自治体からサービス利用のための「福祉サービス受給者証(受給者証)」が発行され、B型事業所を利用できます。
1.精神科や心療内科等の主治医からの「診断書」または「意見書」
2.自立支援医療受給者証(精神科等への通院やお薬代の減免で利用しているもの)
3.発達障害等の診断が記載された各種医療機関の証明書
「自分は対象になるのかな?」と少しでも迷った場合は、自分で判断して諦める前に、地域の福祉窓口(障がい福祉課など)や、興味のあるB型事業所に「手帳はないのですが、通所や体験は可能ですか?」と問い合わせてみることを強くおすすめします。
【利用料】就労継続支援B型は1日いくら?「自己負担0円」の仕組み
B型事業所を利用するにあたり、最も気になるのが「お金(利用料)」の話です。
「毎日通ったら、1日あたりの利用料が高くなって、せっかくもらえる工賃より負担の方が大きくなってしまうのでは?」という不安を抱くのは至極当然のことです。
しかしご安心ください。冒頭でもお伝えした通り、B型事業所を利用する方の9割以上が「自己負担0円(無料)」で通所しています。
なぜ多くの人が「無料」で利用できるのか?
B型事業所の利用料(自己負担額)は、厚生労働省が定める福祉サービス費用の原則1割を支払う仕組みとなっています。しかし、実際には利用者の「世帯所得(収入状況)」に応じて、ひと月に支払う負担上限の最大額(負担上限月額)が決められているため、自己負担が発生しないケースが圧倒的多数を占めます。
【世帯所得ごとの負担上限月額一覧表】
| 対象区分の例 | 世帯の所得状況 | 負担上限月額(ひと月) |
|---|---|---|
| 生活保護 | 生活保護受給世帯の方 | 0円(無料) |
| 低所得 | 市町村民税非課税世帯の方(世帯収入が一定基準以下の場合) | 0円(無料) |
| 一般1 | 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満) ※通所でグループホーム等を利用しない方 |
9,300円 |
| 一般2 | 上記以外の所得の方(市町村民税課税世帯) | 37,200円 |
※非常に重要(世帯所得の判定ルールについて):
18歳以上の障害者の場合、福祉サービスにおける「世帯」の判定範囲は、親や家族の収入は一切合算せず、「障害者本人と配偶者(いれば)のみ」の所得で計算されます。
そのため、実家暮らしで親御様に高い収入があっても、本人様が無職、あるいは障害基礎年金や工賃のみの受給である場合は「低所得(非課税)」区分に該当し、利用料は0円(完全無料)になります。これが「利用者の9割以上が0円」と言われる理由です。
1日あたりの「本来の自己負担額」の目安
仮に、ご自身が「一般1(上限9,300円)」や「一般2(上限37,200円)」に該当し、1割の自己負担が発生する場合、1日あたりの利用料はいくらになるのでしょうか。
B型のサービス基本料金は、各事業所のスタッフの配置体制や支援実績、加算状況などによって決定されます。
・1日あたりの実質的な自己負担の目安:約500円〜1,000円程度
例えば、「一般1」区分に該当する方が、自己負担額が1日1,000円の事業所に「月に20日間」通ったと仮定します。
そのまま計算すると `1,000円 × 20日 = 20,000円` ですが、1ヶ月の負担上限額が「9,300円」と定められているため、事業所からどれだけ通所しても請求される窓口支払額は9,300円が上限となります。それ以上の追加料金が請求されることはありません。
※なお、非課税世帯(低所得)の方であれば、月に何日通っても、1日の利用料は完全に0円(無料)です。ご自身の区分がわからない場合は、お住まいの自治体の窓口で容易に確認が可能です。
【利用までの流れ】見学から通所開始までの5ステップ
実際に就労継続支援B型を利用するまでの手続きは、大きく分けて以下の5つのステップに進んでいきます。
初めての方にとっては「何をどこから申請すればいいのか」とやや複雑に見えますが、事業所のスタッフや相談支援専門員の力を借りることで、つまずかずに進めることができます。
【迷わず進める!利用手続きロードマップ】
| ステップ | 具体的なアクション | 知っておくべきポイントと注意点 |
|---|---|---|
| 1 | 事業所の情報収集・見学 | ・気になる事業所があれば、電話やWebフォームから見学を予約します。 ・作業内容(パソコン作業、ものづくり、軽作業など)や事業所の雰囲気、自分の通いたいペースに合っているかを確認します。 ・自力通所が難しい場合は、送迎サービスの有無や範囲も確認しましょう。 |
| 2 | 体験利用(お試し通所) | ・多くの事業所では、1日から数日間の「お試し体験利用」が可能です。 ・「本当に自分に合ったペースで作業ができるか」「スタッフや他の利用者との空気感は馴染めそうか」を身をもって体感します。 |
| 3 | 市区町村の窓口に申請 | ・「この事業所に通いたい!」と心が決まったら、お住まいの自治体の福祉窓口(障がい福祉課など)へ申請手続きに行きます。 ・障害者手帳、または手帳がない場合は主治医の診断書や通院証明書などを提出します。 |
| 4 | 「利用計画案」の作成・提出 | ・相談支援専門員と面談を行い、今後の目標や通所頻度を盛り込んだ「サービス等利用計画案」を作成してもらい、役所へ提出します。 ・承認されると、数週間〜1ヶ月程度で「障害福祉サービス受給者証(受給者証)」が自宅に届きます。 |
| 5 | 事業所と本契約・利用開始 | ・受給者証が手元に届いたら、体験したB型事業所に連絡し、受給者証を提示して正式な利用契約を結びます。 ・事前に打ち合わせた通所スケジュールに則り、本格的な利用がスタートします! |
💡 手続きをラクに進めるための裏ワザ:
役所の申請手続き(ステップ3)や、相談支援の計画案提出(ステップ4)など、初めて行う人にとっては戸惑う部分が多くあります。
そうした際は、ステップ1〜2で見学・体験したB型事業所の担当スタッフに同行を相談してみてください。多くの事業所では、手続きや役所への同行申請などのサポートを無償で丁寧に行ってくれます。
トラブルを防ぐ!B型事業所の「送迎の算定ルール」
通所の負担を大きく減らすサービスとして、利用希望者やご家族から圧倒的な人気を集めているのが、事業所による「送迎サービス」です。
特に沖縄県のように「車での通勤・移動」が主となる車社会や、最寄りの公共交通機関が遠い地域において、送迎の有無は事業所選びの決定打となることもあります。
ここで、トラブルなく安心して通い続けるために、厚生労働省が定める法律(送迎加算の算定ルール)に基づく、絶対に間違えてはいけない重要なルールを解説します。
原則ルール:送迎の範囲は「居宅と事業所間」
就労継続支援B型事業所が、行政から「送迎加算」という加算算定を行って送迎サービスを実施する場合、原則として「事業所と、利用者の『居宅(自宅など)』との間の送迎」を行わなければならないと法律で厳格に定められています。
つまり、原則として「ご自宅の前(またはマンションのエントランス等)で乗車し、事業所へ直接向かう」「帰りも自宅前まで送り届ける」という一対一のドアツードア型の運用が、国が定めた適正なルールとなります。
「主要駅」や「集合場所」でのピックアップが認められる例外ケース
一方、一部の事業所では「最寄りのモノレール駅」や「地域の公民館・コンビニ」などを指定の集合場所とし、そこで合流して送迎車に乗るルートが組まれていることがあります。
これらが国から認められるには、以下のような正当な手続きと理由を満たしている必要があります。
1.ケアプラン(計画書)での必要性の認定:
利用者の自宅前道路が極めて狭く、大型の送迎車(福祉車両)が侵入できない等の物理的な理由から、相談支援専門員が計画書等に「経由地での送迎合流が真に必要である」と認めて記載している場合。
2.事業所から行政(自治体)への事前届出:
あらかじめ、適切な送迎ルートおよび安全管理を考慮した経由地(駅など)である旨を、事業所側が都道府県や自治体に届け出て承認を得ている場合。
このように、送迎は「どこでも自由に、希望された場所に車を出す」ことはできません。基本は「居宅から事業所への送迎」であり、それを著しく逸脱した運用は適正な算定とみなされないリスクがあります。見学時には、「算定ルールを正しく守った送迎ルートになっているか」「安全対策が十分か」を確認することが、法令を遵守した信頼できる事業所選びの重要な判断基準となります。
まとめ|不安を解消して自分に合ったB型事業所を見つけよう
就労継続支援B型は、一般企業やA型事業所で働くことへの不安、あるいは体力面・体調面に課題を抱えている方が、自分のペースを守りながら、無理のない社会参加の一歩を踏み出すための福祉サービスです。
1. 利用条件: 障害者手帳がなくても、医師の診断書や受給者証があれば利用できる
2.利用料: 世帯所得の区分により、利用者の9割以上が自己負担0円(無料)で利用可能
3.利用の流れ: 見学・体験、自治体窓口への利用申請、受給者証の発行を経てスタート
4.送迎ルール: 原則として「利用者の居宅と事業所の間」を結ぶのが国が認める適正ルール
「本当にお金がかからないのかな?」「手続きが難しそうで自分でできるか不安」と一人で抱えていると、なかなか先へ進めなくなってしまいます。しかし、どの地域の自治体であってもルールは国で統一されており、安心して利用できる基盤が整えられています。
まずは、身近な事業所の見学へ行ったり、スタッフの人と話したりすることから始めてみませんか?一歩踏み出してみるだけで、毎日を前向きに過ごすための新しい環境がきっと手に入るはずです。
信頼のおける公的参照リンク
本記事で解説した最新の制度基準や上限負担額に関する正確な一次情報につきましては、以下の公的機関の案内も合わせてご参照ください。
・【厚生労働省公式ホームページ】障害福祉サービス等(全体情報)
・お住まいの自治体(市役所、町役場、区役所)の「福祉相談・障がい福祉課」
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